東京インターハイスクール[東京都渋谷区](http://www.inter-highschool.ne.jp/)では、卒業式と入学式を同時に行う、とてもユニークなセレモニーを開催している。「同時開催? なぜ? どんなことをするのだろう。」多くの方がそう思うのではないだろうか。
時期的には、新たな進路に踏み出してしばらくしてからの式となる。自分の学びたいこと、追究したいことを前提にカリキュラムを作り、将来像を描きながら勉強し、プロジェクトをやり遂げて卒業を迎える。修業年限はない。その過程が自分のしたいことだから楽なのかというと、そうではなかったと多くの卒業生が振り返っていた。
では、やる気、継続力、原動力はどこにあるか。「ただ単に教科を勉強するのではなく、自分にとってなぜその教科を勉強するのか。意味ある学びができるからこの学校に入った。」「やろうと決めた。たいへんとも思ったが、やってみるとできた。」「いままでの自分を振り返り、好きなことだけするということでなく、「自分に責任を持てるか」と自問することで達成できた。」卒業生のことばは、主体的な学びとはなにかについて、大いに示唆するものだ。
「偉大な教師とは、、、」と引用した講話をたびたび拝聴したが、(私の経験上で)今回ほどピッタリだと思ったのは、この入卒式の生徒さんたちが初めてだった。壁を乗り越えて進路を切り開いた卒業生を見つめる入学生と入学したての後輩を見守る卒業生(と在校生)は、お互いをインスパイアする素晴らしい人たちだった。
※William Arthur Wardの格言
The mediocre teacher tells.
The good teacher explains.
The superior teacher demonstrates.
The great teacher inspires.
研究員 大村昌代