発端はソーシャルビジネスを20年間続けてきた町野弘明さん(SBN代表理事)の話を聞いたことです。政府だけに社会問題の解決を任せられないという思いから、地域主義を標榜して、エコロジー中心の社会への変革を目指している。クマールの「スモール・スクール」や「シューマッハ・カレッジ」の設立はデューイの考えにも依る。ヴェブレン、宇沢弘文、玉野井芳郎、のソーシャル・キャピタルやエントロピーを考えたエコロジカルエコノミーを押しすすめ、GDPを中心に置いた経済からの離脱を考えないとならないという考えに至る。物理世界ー理性と非物理世界ー倫理のバランスをどう保つか。世界的なSDGsやグリーンピースという活動に依存することの怖さを警鐘する。
人が人らしく生きることの原点は仕事であり、「より大きく、より早く、より豊かに」仕事を進めるという世間で言われていることは、実際は仕事を歪めてしまう。人間の頭脳を毀損させてしまう。デカルト以降の真理であったことが今や神話になりつつある。労働者をして仕事の要請に適応させることではなく、仕事を労働者の必要に応じて適応させることが必要である。しかし、今の社会では誰かが嫌な仕事を引き受けらされる構造になっている。仕事が人の存在する目的とどう関わっているかが考えられない。スモールイズビューティフルの著者の考えは「自己中心主義から脱却して、他者と協力して、他者へのサービスとして仕事を実践すること」である。必要以上のものを人は求め過ぎている。必要なものは自分で作るという原点に戻る。必要でないもの(消費財)を求めないという生き方は私たちの意識改革が必要であるが、本当に必要なものは僅かに限られている。自分で作るということはart(心がこもった技術)である。artmは芸術だけでない。料理、洗濯、庭仕事など全てartである。「スモール・スクール」「シューマッハ・カレッジ」での学びの原点はartである。
花岡隆一
仕事とは人の存在する目的とどう関わってくるのか?
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