主体的学び研究所

大学の地(知)の拠点(COC)について

大学の地(知)の拠点(COC)について

文科省の生涯学習政策局は、生涯学習は地域社会の中で行われるものであり、学校という枠の中だけで考えるものではないとしている。生涯学習の関係分野は教育の情報化、社会教育の振興、家庭教育の支援、放送大学の充実、専修学校•各種学校の振興などとされています。昨今の高齢化社会の中で人々が学ぶ時間•機会が増えている一方で、学びの環境は欧米に比べて遅れています。そのため大学を含めた社会全体の生涯学習環境の整備が急がれるのですが、これはそもそもが社会の在り方に起因している問題であるため容易ではありません。

こうした中で大学や大学院という社会に近いところが、社会との接続(社会への貢献)を見直すために(高等教育機関本来の目的のひとつでもあるが)実施しているのがCOC(センターオブコミュニティ)活動です。昨年のCOC活動での特徴は、医療福祉介護に関することが圧倒していることです。その他では東北震災復旧活動、地元産業振興、農林水産育成、地域人材育成、地域センター•情報メディアセンターの活用、地域•環境エネルギー問題、防災、子育て支援、行政機関への参画、スポーツ文化振興などがあります。産官学の連携で学びの環境をつくり、人々参加することは地域振興というだけでなく、個人が主体的に学ぶ(社会活動に参加する)ための必須の活動であると考えます。東工大の桑子先生は、「コモンズ」と称して社会共有資産を皆で守ることを実践しています。

もうひとつの生涯学習の流れは、大学(大学院)の社会人入学率の向上への期待です。日本の社会人入学率は2%です。(欧米の平均は20%:25歳以上)中教審の議論でも、大学側と企業側の両方の課題を提示していますが、今の社会活動の仕組みが制約となっています。

こうした中で、ICTを使ったeラーニングの新たな展開やMOOCs等の活動が社会人の学びの機会を増やすことが期待されます。放送大学も新たな通信プラットフォームを検討していますのでオンライン教育の動向には注目していきたいと思います。さて、今年のCOCはどんなユニークな取組みが提案されるか楽しみです。

 

研究員  花岡隆一

 

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