主体的学び研究所

“Flip Your Classroom” by Jonathan Bergmann & Arron Sams

“Flip Your Classroom” by Jonathan Bergmann & Arron Sams

 

高等教育の学びの質転換で、フリップトクラスルームの授業法が話題になっています。米国で読まれている代表的な書籍を紹介します。著者の二人は高校の教師です。学生のアクティブ•ラーニングを促す授業方法の開拓に挑戦している中で開発したものです。二人の教師の実践の成果をまとめたものですが、特に重要なFlipped Mastery Classroomについて紹介します。下記がそのプロセスの概要です。

①教室授業前の準備学習のために、短い映像を作成する。この中で大切なことは、学生が自分の殻に閉じこもらないように教師と学生との双方向の交流を実現する仕掛け、即ち的確な質問をつくることである。教室授業になったときに、教師が学生に話すのではなく、学生と教師は友達のように会話できる素地をつくることである。この準備学習の意味は学生が自分の計画に従って学びの時間を使えることである。

②教室授業では学生が中心になる。(Student Engagement)学生同士が話合う。教え合う。グループまたはチームで考える。このプロセスもリフレクションのひとつである。教師はファシリテーターの役目に徹する。教室の配置もとても大切である。(最近は、アクティブ•ラーニング•ルームデザインで多様な実績が生まれている)

③大切なのはアセスメントの方法である。これはメンタリングでも同じ。実は、1980年代に、Mastery Learningが普及しなかった理由はアセスメントに苦労したためである。

ーFormative assessment: 学生の学びの段階に応じてアドバイスができる。深い学びの段階では学生に任せる。しっかりとアドバイスが必要な時を見逃さないこと。「何を学んだか?」「その証拠は?」

ーRight Formative assessment questions: 初心の教師に質問の仕方を覚えてもらうことが大切。これは学生と一緒に学び、遊ぶことの経験の蓄積も必要となる。

ー Summative assessment: 単なる数値評価以上のものを見つける。

その他に、映像の事前学習をどのようにチェックするか? 映像の事前学習の効果的な進め方? 事前学習が出来なかった学生への教室授業の方法?などの回答も用意している。

研究所で紹介しているICEルーブリックはまさにフリップトクラスルームの授業法でのアセスメントとして最適な方法のひとつであると考えています。

 

研究員 花岡隆一

 

 

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