主体的学び研究所

Sue F.Young先生のICEアプローチの高等教育での実践:ルーブリックを越えるICE

Sue F.Young先生のICEアプローチの高等教育での実践:ルーブリックを越えるICE

昨年日本に初めて紹介したWilson先生とSue先生のICE approachは、当初は初等中等教育向けに実践したものであるが、現在はカナダでは大学向けにも普及してきています。Sue先生から高等教育での活用に関する報告を頂いたので、その経緯などをご紹介します。Sue先生の論文は改めて掲載予定です。

ICEアプローチを、ED(カナダではFDといわない:Educational Development)での研究テーマとして18人の先生と一緒に実践した結果、これまで使っていたアセスメント(評価)方法との大きな違いが確認できたことで、カナダでは大学での学びに活用されている。即ち、学士レベルではIとCがクリアになること、専門レベルではEが基準となっています。このEDチームでの実証研究の成果は、いずれジャーナルになってくると思います。

学生はシラバスをもらうと、最後のページにあるアセスメントの方法を見ます。つまり、アセスメントがカリキュラムを定義していると言ってもよいかもしれません。アセスメントが知識の蓄積を問うのでは、学生の主体的学びを実現することはできません。学生が自ら深い学びをして実質的な成長を遂げていることを評価する方法がICEです。即ち、思考のプロセスを評価することを考えました。

ルソー、デューイなど教育学の古典で共通して記述しているのは、幼児は生きるために主体的学びをしているということですが、ICEは子どもが成長していく過程を示しているようにも思います。ICEのもう一つの特長はポータブルであることです。私たちはICEアプローチは学校教育の枠に留めるのではなく、社会で広く活用していただきたいと願っています。

 

研究員 花岡隆一

 

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