主体的学び研究所

「アフリカ子ども学を語る会」(アフリカ教育研究)について

「アフリカ子ども学を語る会」(アフリカ教育研究)について

名古屋大学大学院の国際開発研究科で比較教育を研究されている山田肖子先生にお会いして、アフリカ研究を通じて、日本のことを多面的に研究されている話をお聞きする。とても感動的であった。山田先生ご自身が、国際協力に関わり地球レベルでの社会と自然の関わりを実践されている。

今回は、アフリカ教育研究フォーラムでの「アフリカ子ども学を語る会」の紹介で、アフリカを研究する様々な専門家との討議は面白い。「子どもの視点で、子どもを取り巻く社会の在り様を理解して、再構築していく」というのが出発点である。つまり、子どもの視点に立ち、子どもから学ぶというのが討議の軸である。ここから、学校とか公高教育という狭い枠ではなにも得られないこと、ピアジェの子どもの遊び、楽しみの中から人の成長がある、つまり主体的学びの原点にも触れながら、学校ではできなくても子ども社会ではリーダーになる子どもの姿や貧困でかわいそうであるという見方は間違いで、貧困であっても子どもにとっては楽しい生活であるという考えなどが披露される。

振り返って日本の子どもは人工的なものが満ち満ちている社会で、回りにあるものだけで生き生きとした生活ができるアフリカの子どもとの違いを指摘する。諦めやすい、我慢できないという性格や一人で生きて行ける潜在能力が退化していることを考える。

最後の討議は、そもそも人とは何なのか? 人は子どもを通してしか大人にならないのか? 子どもの定義とは? 何故アフリカを学ぶのかという自問自答と共に根源的な課題提起をして終わる、すばらしいフォーラムであった。山田先生はこのテーマに引き続き取組んでいきたいと言われる。研究所としても学校の中での主体的学びだけでなく、山田先生の掲げる社会における人としての主体的学び=アクティブ•ラーニングについても理解していく必要があると痛感した。

 

研究員 花岡隆一

 

 

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