主体的学び研究所

英語留学と米国大学へのトランスファー

英語留学と米国大学へのトランスファー

1月に訪米する。目的は、日本をはじめとした中高生の米国での英語留学の実情と米国大学への入学がどのような仕組みで行われているのかを、ELSという設立50年の歴史を持つ英語留学教育を訪問して視察することであった。ELSは現在では全世界に1700拠点(93カ国)に教育事業を展開しているベネッセコーポレーションの傘下にある。ELSは全米に60カ所の学校を保有しているが、50カ所は大学キャンパスの中に存在しているのが特長である。大学進学を目指す留学生にとってはとてもよい環境にある。ELSの仕組みは、全米にある1,300のカレッッジへの進学のシナリオがでてきていることである。国別の留学生では中東地域が増えて、韓国が減っている。中国やインドが上位であることは変わらない。日本はまだ少ない。

さて英語の授業であるが、101−112までの12段階で指導している。109まで到達するとカレッジへの入学資格が与えられる。驚いたのは、何とELSのクラスは全て「アクティブ•ラーニング」である。さらなるノウハウは多民族の生徒を纏めていく授業設計である。これはELSが誇る仕組みであろう。教師のFDレベルが高いのも、50年の蓄積であろう。サウジアラビア人とインド人、韓国人と台湾人、日本人とインドネシア人などが一緒に議論をしつつ学んでいる。教師は「答えを言わない」。全てが正しい回答である(学生の主張としては)と褒めつつ、英語の文化をアドバイスしていくスタイルである。

学生は大学の寮とホームステイの選択ができる。カリフォルニア州のDeAnza大学は全米でもトップクラスのカレッジであるが、この中にあるELSは、大学生との交流、地域コミュニティとの交流、ボランティア活動など社会生活にどっぷり浸かって、英語を学ぶことが目的でなくなっていく、この自然な環境こそが英語留学で大切であると思った。

研究員 花岡隆一
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