主体的学び研究所

学習スペースと主体的学びについて

学習スペースと主体的学びについて

カナダのMcGill大学への訪問についてはこの欄で書いた。この度、McGill大学他の先生方との交流からLSRS(Learning Space Rating System)の翻訳(ver1.2)を行った大阪大学の浦田悠先生(全学教育推進機構)にお会いして、研究内容をお聞きした。豊中キャンパスの理工系学部の奥に全学教育推進機構の建物がある。浦田先生の専門は心理学である。Educauseでの交流などからLSRSに出会って興味を持たれた。いち早く日本語に翻訳されたのは先見の明がある。現在は一人で研究されている。そもそもLSRSは学生のエンゲージメントを促すための学習環境について、そのソフトとハードの両面から考えるというものであり、経営トップから現場、あらゆるステークホルダーの考え方を一致させることから始まる。McGill大学でもこの理念の一致に至るまで3年間を要した。

浦田先生はLSRSを構成する要素の一つひとつについてその意味付けを分析することから始めている。これは学習への直接的関与を超えて環境と人間の関係という一段高い視点での洞察が必要になるため地道な研究であるが、重要なプロセスであり、これがないと、感性でこういうものはよいはずであるというフォーマットができてしまう。

最近はビジネスでDesign Thinkingという考え方がよく使われているが教育においてもDesgin Thinkingが導入されるようになっている。逆コースデザインや探求学修などが例。学習スペースの問題は、本来のデザインが活用されるところであり、もっと研究される必要を感じている。浦田先生の研究成果が楽しみである。

 

研究員

花岡隆一

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