主体的学び研究所

デジタル時代の教育について考える

デジタル時代の教育について考える

昨年船守美穂先生がオンライン教育を積極的に実践している米国アリゾナ大学の調査訪問をされた。実際にオンライン教育をやっている先生方に聴くと「デジタル時代に育った現在の学生は対面型座学では脳の集中力が持続しない。キャンパスの内外を問わずデジタル機器を使うと勉強が進む。そのためにオンライン教育をやっている。」という。しかもこのオンライン教育は協同学習を伴うものである。MOOCs 3.0もある意味でデジタル時代の授業方法といえるかもしれない。これは大変恐ろしいことであると思う。

最近デューク大学の5年間の調査でITが教育のデバイドを埋めない、むしろ格差を広げているということが分った。初中教育での話である。シカゴ大学の研究でも忍耐力や創造的頭脳は経験によって成長することがわかっている。

どんな家庭にもスマートデバイスやPCがあって幼児も自然に触れていける時代である。自然や社会との実際の触れあいが少なくなり、デジタル環境で育てられると、本来は時間をかけて考えるというプロセスを経て築かれるべき知能が脆くなる可能性がある。つまりデジタルで培われた知能は一定のプログラムが機能する範囲でしか役に立たないとも言える。現実の社会が益々デジタル化が進んでいる中で教育のデジタル化をどのように考えるか大きなテーマである。

 

研究員  花岡隆一

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