主体的学び研究所

「大学国際化の虚実」中央公論2月号特集

「大学国際化の虚実」中央公論2月号特集

主体的学び研究所フェローの倉部史記氏が中央公論2月号に投稿しているので早速拝読する。吉田文先生の隣という紙面で驚く。『急増する国際系学部を「看板倒れ」にするな』というタイトルで、高校生に寄り沿う立場を離れない倉部さんのいつもの視点が見える。社会の変化に沿って大学に求めるものが変わっていくのはある程度は理解できるが、大学が自己本位になることで高校生にミスマッチを与えていくことは決して許されないというのが主張である。(相変わらず8万人もの中退者が出ている)

中央公論の教育特集はその他にも、山際壽一京大総長、田村哲夫渋谷教育学園渋谷中学高校校長、柳沢幸雄開成中学•高校校長、岩渕秀樹文科省基礎研究推進室長、清水真木明大教授が記述していて基本的には現在置かれている立場からの提言がまとめられている。

その中で清水先生が『もし日本のすべての大学の授業が英語で行われたら』が面白い。日本と米国の大学運営の違いを明確に言っている。
「日本の大学は、みずからを「勉強したい者が主体的に勉強する場所」と規定し、監視されなくても勉強する少数の学生を対象とする高度な支援に教育資源を集中させてきた。」一方米国では「補助的な教育業務を担う豊富な人的資源と、この人的資源を確保するための人件費により、学生に無理やり勉強させる環境を作り上げてきた。」

主体的な学びを初等中等教育から実践できている者はどこの国でも数少ないのであるが米国ではそれを前提として「無理やり勉強させる環境を作り上げてきた」のである。このテーマについても今後考えていきたい。船守先生から頂いた問題提起である「米国の公立学校の危機(NCLB政策)」に関することである。

 

研究員 花岡隆一

このエントリーをはてなブックマークに追加

« »

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

CAPTCHA