主体的学び研究所

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土持先生が当研究所顧問に就任されました

土持ゲーリー法一先生(帝京大学高等教育開発センター長・教授)に当研究所顧問としてご指導いただくことになりました。著名な教育学者であり、かつアクティブな高等教育改革の実践家で指導者でもある先生とともに研究所のテーマである主体的学びに取り組めることは大きな慶びであります。これを機に研究所の活動をより具体化し皆様の役に立つ成果につながるよう努力して参ります。

ホームページ上に顧問からのメッセージ「主体的学びとは何か」を載せましたのでご覧下さい。

杉並区立和田中学の挑戦 よのなか科NEXTの取組

和田中学では、中学生に主体的に世の中の課題に取り組む力を涵養するために、「よのなか科NEXT」という授業を昨年の4月から連続的に行っています。これは現代社会における様々な諸問題を、賛成・反対の立場だけにとどまらず対話しながら考えることにより、考える力をつけることを目指した授業です。

現在まで以下のような授業が行われています。

・震災を考える1 – あなたは福島の野菜を買いますか?~風評被害について考える~ –

・震災を考える2 – あなたは宮城・岩手県の「がれき」を受け入れますか? –

・震災を考える3 – 原子力発電所、再稼働させる?させない? –

・携帯ゲーム「コンプガチャ」から考える規制と自由

・もし「よのなか科」で中学生がドラッカーを学んだら②

・13歳のハローワークで仕事探しの旅に出よう! ③

・オリンピックについて考える① – スポーツの国籍変更、あなたは猫ひろしを応援する気になれる? –

・「命」の授業 がんについて学ぶ

・「命」の授業 がんについて学ぶ② 13歳へのがん告知

・命の授業③ 安楽死についていろいろな立場で考える

・命の授業④ どこまでいじくる人の身体 “医療技術”の生命への介入が、どこまで許されるのか?

・職場体験を終えて いまからできること

・国際学力比較 日本の学力低下を考える

・『面接の極意』を学ぶ ・弟子は師の言うことを、常に聞くべきか

・高校受験は、役に立つのか?

主体的学びは決して大学から始まるわけでも大学で終わるわけでもなく、この社会に生きるひとびと全体の問題だということが、この中学生たちの真剣な議論を聞いていると良く分かります。

これらの授業の映像の配信を開始しました。中学・高校の先生方はもちろん全ての方々にご覧いただきたいと思います。


公開コンテンツはこちらよりご覧下さい。

米国ノースカロライナ州立大学のLou Harrisonさんが研究所を訪問されました

Louh12月3日 米国ノースカロライナ州立大学(NCSU)のLou Harrisonさんが研究所を訪問されました。氏は大学のDELTA(Distance Education and Learning Technology Applications)のディレクターで、Open Knowledge Initiative(OKI)の設立時メンバーです。また現在SIGGRAPHのStudent Services Committee(S3)の会長でもあります。
DELTAは要員70名をかかえ、NCSU全体のeラーニング、授業収録、予習コンテンツ、学生コラボレーションツール等の多岐にわたる開発と運用を支えています。大学全体の400教室のうち同時に170教室で収録を行うことができ、各種のITツールはNCSUの統一画面から使用できるように整備されています。

NCSUで映像コンテンツをActive Learningの予習教材としてどのように利用しているか、お聞きしました。映像収録自体は教材作成の初期的な素材なので、教材として使用するにはそれを10~15分程度の小部分に分割して、授業構成(narrative)に従って並び替えたり他の素材を合わせたりする必要がある。その作業については勿論、授業構成をどのようにするかについてInstructional Designに基づく計画が必要で、教師は普通それらの専門家ではないので、DELTAのメンバーが教師をサポートしている。そのように主にサポート要員のネックでまだそれほど多くの授業に対応できていない、とのことでした。

以下のような意見もいただきました。
まだ十分にうまくできていないが、Student Voiceを直接得て活用することが重要である。
Distance EducationとLearning Technologyの関係について。本来Learning Technologyの方がずっと広い範囲をカバーしているが、Distance EducationはそもそもITを利用しなければ成り立たないのでそこから全てが始まった。いったん始まるとそれは授業全般のLearning Technologyにも有用なことが理解され現在はそちらの方が主要な関心事となっている。