主体的学び研究所

ディープ•アクティブラーニングにつながるポートフォリオOPPA

ディープ•アクティブラーニングにつながるポートフォリオOPPA

堀哲夫先生(山梨大学 理事•副学長)が開発したOPPA(One Page Portfolio Assessment)は大学の授業が単元でなく15コマつなぐことの重要性を通奏低音にもった素晴らしい、とてもコンパクトなポートフォリオであり、全国の教育現場で活用して欲しいと感じた。

コンパクトなツールとしては広島県立安芸高校(柞磨校長)が推進しているアクティブラーニングを促すICEモデルと重なるところがある。

何を学ぶか(ICEのextension)、どう学べたか、どう学べなかったか(Fink先生と同じ問いかけ)の自らへの問いかけを受講前と受講後に考える。さらに各コマでの省察を極めてコンパクトに記述する。これを一切の「学習評価に用いない」というのを聞いて、成る程と思う。評価に使うということが学習者に伝わった時点で、学習者は教師の方向を向いてしまい自分の成長のためのポートフォリオとはならなくなる。知識テストの結果との関連性を比較をしてみたら、よく省察できている学習者の知識テストが必ずしも高くないということもあった。使う頭が違うのである。生涯学び続ける能力はポートフォリオで成長の軌跡を省察できる学習者が明らかに高い。

深い学びにつながるコンセプトマップも受講前と受講後で書いてみると全く違うものができる。これも成る程と思う。

堀先生のもうひとつの研究は「道徳」授業の評価方法である。「道徳」では正しいことの知識を得ることが目標ではないにもかかわらず、そうした授業をして評価していることに疑問を持たれた。OPPAを使った授業をしていて、「道徳」授業はまさにポートフォリオをつくることと同じであると考え、高校の先生方とも議論を深めている。

参考文献: 『教育評価の本質を問う 一枚ポートフォリオ評価 OPPA』
堀哲夫著 東洋館出版社

 

研究員 花岡隆一

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