主体的学び研究所

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「質的データ分析ワークショプ」からの学び

看護教育者の育成に注力される星直子先生からご案内頂き、水野節夫先生の質的データ分析ワークショップに参加した。

「質的データ分析」というと、グラウンデッド・セオリー(Grounded Theory)を思い起こす人が多いと思う。看護学において定着している。水野節夫先生は第一人者であり、CM法(事例媒介的アプローチ︙Case Mediated)を開発されている。

データ分析には多様な手法があるが、水野先生の言う本質的なこととは、データに直面したときの態度である。つまり分析者の意志や意図の前に「データにきちんと向き合っているかどうか」ということである。

CM法の戦略として3つ紹介頂いた。<アイデアの風船飛ばし><なぞり><簡易整理法>である。素材に直面して、この戦略に沿って考えていくと基本的な流れができあがる。とても有効な戦略である。

 

 

花岡隆一
研究員

米国医学教育のアクティブラーニング

米国東海岸名門大学の医学教育を視察して、アクティブラーニングへの取組みに関する日本の医学教育との違いを考えてきた。訪問先は、Harvard Chan School (大学院)& Harvard Medical School、NYU Dentistry & NYU Nursing、University of Pennsylvania(Penn Medical)の5個所である。

米国の医学教育で特徴的なことは次の通りである。

第一に、教育・臨床・研究三位一体の「医学教育プラットホーム」の統合化を徹底的に促進している。データの共有化・活用を積極的に行っている。

第二に、医学部の授業形態は、TBL、テュートリアル、カンフェランス、シュミレーション、レクチャー等多様であるが、アクティブラーニングはどんな授業にも必須のこととして推進されている。

第三に、Student Engagementは米国の殆どの大学で重要な戦略となっているため、学習環境の整備は徹底している。即ち、アクティブラーニングクラスルームがない大学は考えられないという。

詳しくは別途視察レポートを書くつもりである。

 

花岡隆一
研究員

心に突き刺さる「問い」!

ICEモデルをプラットフォームとした探究研究が進んでいます。広島県祇園北高校の柞磨昭孝校長先生は、他者が存在してはじめて学びは成り立つことを実践で検証していますが、What, Why, Howの3つのステップでの問いづくりをICEモデルの各ステージにも沿う形で、かつこれを3次元化した「柞磨モデル」を開発しました。

柞磨先生からの引用です。「学びには「正しい」と「間違っている」がシンメトリーではない、ということの理解が図れるように気を配っています。状況や文脈における価値づけ(優先順位)、その状況において最も機能するものの選択・判断というプロセスが続きます。学校教育では予め正しいことが存在しているという前提で組み立てられてきたので、生きて働く力になりくいのです。答え探しばかりに意識が行ってしまい、まず自分がどう感じるのか、それは誰をどのように幸せにすることにつながるのか(他者性)ということを考えなくなります。

高校3年間で、生徒の一生の記憶に残る「問い」が一つでもできれば素晴らしい。それは社会的に価値があるかどうかというようなものではなくて、生徒の心に棘のように突き刺さり、その後の人生でときどき良心に問いかけるような、答えのない、或いは石ころのようにみえても、その子の人生にとってはダイアモンドであるような問いです。」

主体的学び研究所では、この「問いの形成」に関して学んでいきたいと考えています。

研究員
花岡 隆一

雑誌5号 新刊のお知らせ

雑誌『主体的学び』5号を刊行いたしました(12/20)。特集テーマは「アクティブラーニングを大学から社会へ」です。新しい“赤本”をよろしくお願いいたします。

社会(社会人)から必要とされる主体的学びやアクティブラーニングはどのようなものかという問題意識をテーマに込めました。

社会で必要となる力をどのように教育できるのでしょうか。社会で必要となる力とは、具体的にはどんなときに何をする力でしょうか。そもそも学ぶ立場にいる学生は「社会」をどのように捉えているのでしょう。

さまざまなご経歴や知見や立場を踏まえ、主体性やアクティブラーニングについて、9名の方々に論じていただきました。脳科学、大学教員、実務経験者、企業研修担当者、企業の採用担当者など、広く、深く主体的学びやアクティブラーニングを掘り下げる機会となりました。

読者である各位もそれぞれに「主体的学び」や「アクティブラーニング」について想うことがあると考えています。ぜひ、コメントやご意見などをお寄せ下さい。

東信堂より出版。東信堂HPより購入もできます。

http://www.toshindo-pub.com/

書店からの注文、各種インターネット通販等で購入できます。

研究員 大村

雑誌5号 新刊がもうすぐ出版されます

『主体的学び』5号 特集:アクティブラーニングを大学から社会へ
東信堂から、もうすぐ刊行です。詳細は後日、掲載いたします。
東信堂に直接注文、あるいは、書店、インターネット通販を通して購入できます。