主体的学び研究所

ICEアクティブラーニングについて<カナダSue先生を囲んで>

ICEアクティブラーニングについて<カナダSue先生を囲んで>

ICEアクティブラーニングに関して、「students exiting things happen」を生徒と共に推進している柞磨先生(前県立安芸高等学校校長、現在は県立祇園北高等学校校長)のご活躍は何度か紹介している。

この程、ICEの開発者であるSue先生とICE taxonomyを効果的に活用している大学の先生方との座談会を開催したのでその話しをしたい。著名なtaxonomyの考え方とICEの位置づけ、critical thinking、発問の重要性、ICEに関する多様な解釈や活用事例、assessmentについて、質的評価を可能にするICE rubricの意味付け、何故学生(生徒)はICEによる授業で夢中になることができるのかなどの広範のテーマで意見交換した。

ICEアクティブラーニングの目的はstudent engagementを推進することであることは論を待たない。つまり教育の再定義である。具体的には学ぶ個人がそれぞれの意味を創りだすことであり、学習者が深い学びのアプローチを実践できる環境をつくりだすことである。この学びのプロセスを評価するのがICEモデルである。従ってICEには負の評価は存在しない。全てが肯定である。ICEは直線的な学びの段階を示すものではなく、螺旋的に継続成長していく学びのエリア(framework)である。

広島県立安芸高校の田辺先生を筆頭にした先生方が3年に亘り生徒と共になって開発した「カナダを超えるICEモデル(授業設計)」は(I)(C)(E)のそれぞれのエリアに多様な意味付けを行い試行錯誤をした。それは(I)(C)E)がフレームワークであることを前提として考えていたからである。その結果、super(E)という考え方を開発した。(E)から始める授業設計も開発した。I(c)という考えから数学の三角関数や対数の生徒の理解が飛躍的に高まった。生徒が深びのアプローチができるようになり、学びの個人的な意味付けができるようになってきた。ICEの存在しない授業は生徒が拒否するようになってきた。

今回の座談会でカナダと日本でのICEの実践の方向性が基本的に一致したことはとても嬉しいことである。今後日本とカナダが一層の連携を図りつつ学生(生徒)と教師が一緒に作り出す授業設計の発展につながることを期待したい。

 

研究員
花岡隆一

このエントリーをはてなブックマークに追加

« »

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

CAPTCHA