主体的学び研究所

学ぶことへの招待――社会へつながる学びとは(1)

学ぶことへの招待――社会へつながる学びとは(1)

鹿児島大学が今年度から新たに開講した全学必修の地域志向科目「大学と地域」のリーフレットがとても興味深い。
教科やコース、テーマの説明が記載されているが、スタイルが違う。
そのテーマは「問いかけ」から始まるのだ。

例えば、環境・島嶼(とうしょ)というテーマでは、
「環境問題という言葉はよく耳にしますが、その具体的な中身は何で、自分にどう関係していますか?」
「私たちは何が出来るでしょうか」
と問うている。

言い換えてみると、
「あなたはそのテーマとどんな関係ですか?」
「あなたは何をしようと考えますか?」
「自分の身に起こることだけではなく、それを地域課題として考えませんか?」
と、「学習者が考える」というスタイルだ。

そして、「大学と地域の関係」を学生が部外者で遠目でみつめるのではなく、
「自分自身と諸課題」「自分自身と社会との関係」を考える機会ですよ、
と問いかけによって学びへと招待しているのだ。
これは学習者中心のシラバスとも共通するポイントではないだろうか。

学習する内容も工夫されていて、COC活動での研究成果や地域課題解決への取組みに深くつながっている。
学校の枠から社会や生涯の学びへとつながる発問が、広く展開されている事例である。

「大学と地域」リーフレット
大学と地域パンフ

(つづく)
研究員 大村昌代

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