主体的学び研究所

改めて思う学びの原点としての「ICEモデル」

改めて思う学びの原点としての「ICEモデル」

高校生の入学準備教育の受講者によるポートフォリオで、高校と大学の違いについての様々な気づきや4年間の学びへの期待を述べている。ここでは反転授業を実施したが、特に生徒同士での学び合い(協調学習)を初めて経験した受講者から、大学での学びへの思いが伝わる。

ジョン•デューイによると、協調学習がない授業は子どもたちにとって大人以上に退屈である。子どもが自然と協調して体験的学習をすることに教育の原点があり、これは高次な教育でも経験哲学として裏付けられる。学校という枠での授業設計や教材の押しつけは精神と肉体を分離させてやがて学びから離れていく。

現在の教育に照らして考えると、協同する力(荒瀬元校長の言う見えない力)=チームで考え行動する力を育てるのが教育の原点である。子どもの内在的な発達の可能性を信じることが教員の原点にあり、そのために教育は現場で苦労する。(生徒の経験を始点として又帰着点として教育実践をしていく)知識の習得だけではなく、知の総合化が行われる環境が提供される。(経験は過去に拡大されて行く程度にしか未来に拡大はしていかない:デューイ)

今私たちが研究しているカナダのICEモデルは、このことを実践するポータブルな仕掛けである。子どもたちが自然との共生や対立の中で体験しつつ知識を得て総合化していくプロセスがまずICEモデルである。大学の中でも、社会に出ても、ICEモデルのプロセスは実践されていく。成長しつづけるIにしていくことが大切であると考えている。

研究員 花岡隆一

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