主体的学び研究所

11月

沈みゆく大国とニュースクール :リベラリズムについて

1917年コロンビア大学の理事会が2人の教授を解雇したのに抗議してチャールズAビアードは辞任する。その後、ジョン•デューイも協議に参加してリベラリズムの実験大学であるThe New Schoolが設立される。24名の教員でスタートした学生数は348名であった。その内の半分が女性であった。「ニュースクールは知的刺激の継続や高等教育の必要を感じる多くのコミュニティ住民の期待を担っている」とデューイは寄稿した。(紀平英作氏「ニュースクールーしなやかな反骨者たちの奇跡」より)20世紀のリベラリズムの源流をつくったとも言えるビアードやホレイス•カレンの著作を読んでいる。この米国が堤未果「沈みゆく大国 アメリカ」になっていくのか。この問題には悩まされる。宇沢弘文が指摘した問題でもある。リベラリズム教育が弱い日本の高等教育において人は何故学ぶのかということをニュースクールの精神に戻って考えてみてはどうか。

研究員 花岡隆一

米国コロンビア大学コーチング•カンフェランス

コーチング研究所の番匠武蔵氏が10月にコロンビア大学で「システミック•コーチング」について発表した。  http://crillp.com/

基調講演は同大学のW.Warner Burke博士が「Learning Agility」について行った。「学習の俊敏さ」の要素は6つあり、Feedback Seeking/Performance Risk Taking/Collaborating/Experimenting/Flexibility/Speedであると言う。

私たちはこれまで主体的学びを促すアクティブ•ラーンニングについて考えてきたが、その中でブリガム•ヤング大学が提唱している「Community Engagement」(大学と社会の連携を意識したStudent Engagementであり、私たちは「大社連携」と命名している)を取り上げてきたが、Learning Agilityは変化が激しい社会への対応という意味を含んでおり、ここでつながった。

もうひとつの講演はCase Western Reserve大学のEllen B.Van Oosten博士で、会話と脳の活動という深い学びと浅い学びに関連するテーマで脳科学と結びついたコーチング研究であり。

今月発行予定の「主体的学び」ジャーナルで東大船守美穂先生(「反転授業へのアンチテーゼ」)は、知と向き合う空間と時間について説明している。この時の脳のメカニズムについて調べるのも興味深いと思う。

 

研究員 花岡隆一

『主体的学び』2号刊行予定!

HPの下段のニュースにもUPいたしましたが、

雑誌『主体的学び』2号が11月20日(木)刊行予定です。

本誌の特集は「反転授業がすべてを解決するのか」です。

春に刊行した「パラダイム転換―教育から学習へ、ICT活用へ―」から引き続き

よろしくお願いいたします。

東信堂およびamazonより購入可能になりますので、改めてHPでご案内させていただきます。

 

研究員大村昌代