主体的学び研究所

09月

教育のビッグデータ取組みについて

MOOC研究のひとつとしてビッグデータを活用して学習成果につなげるための試行錯誤が始まっている。教育のパラダイムシフト、「教える」から「学習」への変革の中でMOOCの位置付けも多様化しているが、取り分け学習者中心(Student Engageent)の視点でビッグデータの収集解析が期待できる。

MOOCでは単元あたり多くのビデオ学習を行うが、例えばビデオのどこをどのぐらいの時間視聴したか、どのように学んだかがどのような学習成果につながっていると想定されるか、学習したカリキュラムの体系化と学習成果の関連、教材視聴とテスト学習の時間の割き方、ビデオ教材の作り方など学習ビッグデータの研究がICTの機能アップにもつながっていくと思われる。

MOOCを教室に取りいれることは既に高等教育から高校教育にまで広がってる。日本でも反転授業やハイブリッド教育として教員単位での取組みが始まっている。研究所でもこれらの調査をしているのでいずれ紹介できると思うが、2014年に実施した高校生の大学準備教育では700名のビデオ視聴とその学び方について分析した結果、15コマの授業ビデオに対して10時間以上の視聴学習をしている。最長は25時間という結果であった。この内500名からポートフォリオを提出してもらったが、「大学で何を学びたいか」「4年間でどういう成長をしたいか」を省察したことで、入学後の学びへの姿勢がより主体的になってきていると思われる。

今後さらに詳細なデータが積み重なっていくと学習者にとって必要な学習環境の整備も進んでいくはずである。

研究員 花岡隆一